進化論は嘘 162

 

                      創世記212021

 

20 神が少年とともにおられたので、彼は成長し、荒野に住んで、弓を射る者となった。

 

21 こうして彼はパランの荒野に住みついた。彼の母はエジプトの国から彼のために妻を迎えた。

 

 

 

イシュマエルの成長

 

         イシュマエルのその後

 

 

ハガルとイシュマエルは、荒野で生き延びることができた。この箇所は、イシュマエルのその後について解説している。(1「神が少年とともにおられたので」。これが、イシュマエルが生き延び、成長することができた原因である。イシュマエルはアブラハム契約の祝福に与るようになるという神の約束が、成就したのである。(2)イシュマエルは、パランの荒野で生活した。彼の職業は、「弓を射る者」、つまり猟師(りょうし)であった。「弓を射る者」という言葉は、創世記の文脈では否定的な意味を含んでいる。悪人ニムロデの職業がこれであった(創1089)。(3)長じたイシュマエルは、妻を迎えた。母親のハガルが、彼のために嫁をエジプトから連れて来たのである。エジプト人というのは、ハム系の民族であるが、アブラハムとイサクは、セム系である。(4)当時の文献によると、ハム系の民族の間には、すでにセム系を憎む心情が生まれていたようである。その心情を英語では、「アンチ・セミティズム」と言う。これは「反ユダヤ主義」と同義語である。つまり、エジプト人の妻を迎えたイシュマエルは、ますます強固な「反ユダヤ主義者」となっていったということである。

 

         

          パウロによる適用

 

 

パウロは、ガラテヤ書の中で、このテーマを取り上げている(ガラ42131)。パウロは、創世記21 章にラビ的釈義(しゃくぎ)(ほどこ)し、それを基に「束縛(そくばく)と自由の比較」を行っている。(1)ハガルによって子を得る道は、「(わざ)による救い」を示している。この道を追求するなら、イシュマエルという奴隷の子を得ることになる。イシュマエルは、「律法の奴隷」を象徴(しょうちょう)している。(2)サラによって子を得る道は、「信仰と恵みによる救い」を示している。この道を追求するなら、イサクという自由の子を得ることになる。イサクは、「信仰による自由」を象徴している。(3)私たちの前には、2 つの道が用意されている。女奴隷のハガル(シナイ契約、律法主義)の道と、自由の女サラ(アブラハム契約、信仰義認)の道である。前者を選んだ者は奴隷の子となり、後者を選んだ者は自由の女の子となる。奴隷の子は、自由の女の子とともに相続人になることはできない。
業による救いは私たちを律法の奴隷にし、信仰による救いは私たちを自由にする。信仰義認の原則は、いかなる時代にも有効に機能してきた聖書の大原則である。自分が信仰によって義とされていることを、神に感謝しようではないか。

 

 

 

ハーベストタイムミニストリーズ Clayより