進化論は嘘 154

 

                     創世記193038

 

 

30 その後、ロトはツォアルを出て、ふたりの娘といっしょに山に住んだ。彼はツォアルに住むのを恐れたからである。彼はふたりの娘といっしょにほら穴の中に住んだ。

 

31 そうこうするうちに、姉は妹に言った。「お父さんは年をとっています。この地には、この世のならわしのように、私たちのところに来る男の人などいません。

 

32 さあ、お父さんに酒を飲ませ、いっしょに寝て、お父さんによって子孫を残しましょう。」

 

33 その夜、彼女たちは父親に酒を飲ませ、姉が入って行き、父と寝た。ロトは彼女が寝たのも、起きたのも知らなかった。

 

34 その翌日、姉は妹に言った。「ご覧。私は昨夜、お父さんと寝ました。今夜もまた、お父さんに酒を飲ませましょう。そして、あなたが行って、いっしょに寝なさい。そうして、私たちはお父さんによって、子孫を残しましょう。」

 

35 その夜もまた、彼女たちは父に酒を飲ませ、妹が行って、いっしょに寝た。ロトは彼女が寝たのも、起きたのも知らなかった。

 

36 こうして、ロトのふたりの娘は、父によってみごもった。

 

37 姉は男の子を産んで、その子をモアブと名づけた。彼は今日のモアブ人の先祖である。

 

38 妹もまた、男の子を産んで、その子をベン・アミと名づけた。彼は今日のアモン人の先祖である。

 

 

モアブ人とアモン人の起源

 

 

ロトの娘たちの策略

 

 

きょうの箇所で、ソドムの罪はロト一家の罪に収斂(しゅうれん)していく。その結果、2 つの民族が誕生するのであるが、彼らはイスラエルの歴史の中の「とげ」となる。その経緯(けいい)を見てみよう。(1)ロトは最初、山に逃げることを恐れてツォアルに住むことを願い、それが許された。しかし、短時間の内に彼は町を出てほら穴の中に住むようになった。(2)町を出た理由は、いくつか考えられる。ツォアルはソドムと同じ罪を犯していたので、いつか滅ぼされるのではないかという不安があったはずである。また、ツォアルの人たちから殺されるかもしれないという恐れを(いだ)いた可能性もある。ロトと娘たちは、ツォアルの住民からは疑いの目で見られていた。(3)ロトの2 人の娘たちは、子孫を残すためにある策略(さくりゃく)()った。それは、父によって子孫を残すという方法であった。このことから、娘たちの内側にソドムの影響が残っていたことが分かる。(4)結果的に、ロトとその娘たちを通して、滅びたはずのソドムが、モアブ人とアモン人という形で再生することになる。モアブとは「父から」という意味、アモンとは「私の民の子」という意味である。

 

ロトの人生の結末

 

 

 この箇所を最後に、ロトの名前は聖書から消える。人類救済史の視点から見ると、彼の存在が何の意味も持たなくなったからである。これ以降は、モアブ人とアモン人がロトに代わって聖書の表舞台に登場する。ロトは、最初は、財産と使用人と家族に恵まれた遊牧民であった。ところが、最後は、財産を失くし、ほら穴に娘2 人と住むようになった。さらに、子孫であるモアブ人とアモン人は、後に、イスラエルの民に対して姦淫(かんいん)偶像礼拝(ぐうぞうれいはい)の罪を(おか)させるようになる(民数記25 章のバアル・ペオルの事件、レビ記1821 のモレク礼拝の禁止、など参照)。ロトの人生が狂い始めたのは、創世記13 章で誤った選びをした時点からである。彼は、霊的祝福よりも、物質的祝福を重視したのである。しかし、驚くべきことに、新約聖書は彼を「義人」として評価している(2 ペテ269)。ロトを肉的な信者として断罪するのは正しくない。彼はソドムに住みながらも、心を痛めていたのである。義人と言われたロトでさえも、誤った選択や優柔不断(ゆうじゅうふだん)によって神の祝福からもれていったとするなら、私たちはなおさら知恵ある選択をしなければならない。ロトの弱点から、どのような教訓を学ぶことができるか、黙想(もくそう)してみよう。神と富の両方に仕えることは不可能である。

 

 

 

ハーベストタイムミニストリーズ  Clayより