創世記17:1 ~ 8
1 アブラムが九十九歳になったとき【主】はアブラムに現れ、こう仰せられた。「わたしは全能の神である。あなたはわたしの前を歩み、全き者であれ。
2 わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に立てる。わたしは、あなたをおびただしくふやそう。」
3 アブラムは、ひれ伏した。神は彼に告げて仰せられた。
4 「 わたしは、この、わたしの契約をあなたと結ぶ。あなたは多くの国民の父となる。
5 あなたの名は、もう、アブラムと呼んではならない。あなたの名はアブラハムとなる。わたしが、あなたを多くの国民の父とするからである。
6 わたしは、あなたの子孫をおびただしくふやし、あなたを幾つかの国民とする。あなたから、王たちが出て来よう。
7 わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に、そしてあなたの後のあなたの子孫との間に、代々にわたる永遠の契約として立てる。わたしがあなたの神、あなたの後の子孫の神となるためである。
8 わたしは、あなたが滞在している地、すなわちカナンの全土を、あなたとあなたの後のあなたの子孫に永遠の所有として与える。わたしは、彼らの神となる。」
99 歳の時に
4 度目の契約確認
アブラムが99 歳になった時、アブラハム契約の4 度目の確認がなされた。ここに至るまでの年数の経過は、次のようである。(1)12 章で最初の約束を受けてから、24 年が経過した。(2)前回神がアブラムに現れたのは15 章(契約締結時)であるが、そこから数えて23 年が経過した。(3)イシュマエルが誕生してから(16 章)、13年が経過した。この段階では、アブラムはイシュマエルが約束の子であると思っている。神の約束が成就するまでには、忍耐が要求される。
「わたしは全能の神である」。「全能の神」とはヘブル語で「エル・シャダイ」である。この御名は、旧約聖書に48 回出てくるが、この箇所がその最初である。創世記には6
回出てくる(17:1、28:3、35:11、43:14、48:3、49:25)。1つの例外(43:14)を除いて、すべて「子孫の約束」という文脈の中で出てくる。アブラムに約束の子を与えるお方は、まさに「全能の神」である。
新しい契約条項
神の声を聞いて、アブラムはひれ伏した。彼は、自分が話しているお方をよく知っていた。ここで、アブラハム契約に新しい条項が付け加えられた。(1)名前がアブラハムに変わる。アブラムは「高く上げられた父」、アブラハムは「多くの国民の父」という意味である。(2)彼は、その名のとおり、多くの国民の父となる。イスラエル人以外に、ミデヤン人を含む東方の諸民族、イシュマエルの12 部族、エドムの諸部族等がアブラハムの子孫となるのである。(3)「王たちが出て来よう」。これは、人間の王たちだけでなく、アブラハムの家系からメシアが出ることを預言したものである。(4)神はこの契約を、アブラハム個人とだけではなく、彼の子孫とも結ばれた。彼は多くの国民の父となるが、この契約を継承するのは、1
つの国民(イスラエルの民)だけである。(5)カナンの全土が、アブラハムとその子孫に約束された。しかし、イスラエルの民がカナン全土を所有したことは、まだない。この約束は、千年王国において成就する。
アブラハム自身は、これらの約束の成就を見ることなく地上生涯を終えることになる。しかし彼は、信仰によって、見えないものを見ているかのように歩んだ。私たちの信仰を吟味してみよう。アブラハムの信仰に倣う者とならせていただこう。みことばへの信頼、約束を待ち望む忍耐心、見ていないものを見る霊的な目、そして、携挙と再臨への希望をしっかりと養い、保とうではないか。
ハーベストタイムミニストリーズ Clayより