進化論は嘘 27

第10 課
史上最大のプロジェクト
「イエスは近づいて来て、彼らにこう言われた。『わたしには天
においても、地においても、いっさいの権威が与えられています。
それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子とし
なさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、
また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守る
ように、彼らを教えなさい。見よ。わたしは、世の終わりまで、
いつも、あなたがたとともにいます』」 (マタイ28:18 ~ 20)
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第10課の絵の概念
1. トランペットを吹く4人の人物 ……大宣教命令は、4箇所に記されています。
2. 地球の上の王冠 ……………………大宣教命令の保証は、イエス・キリストの権威です。
3. 4人の人物の上の炎 ………………大宣教命令の力は、聖霊です。
4. 4本のトランペット ………………大宣教命令の内容は、4つの動詞で表現されます。
(1)第1のトランペット …………………… 行く
(2)第2のトランペット …………………… バプテスマを授ける
(3)第3のトランペット …………………… 教える
(4)飾りのついた第4のトランペット …… 弟子とする
5. 地球を取り囲む5つの惑星 ………大宣教命令の動機は、5つあります。
(1)獄の中の人物(第2課) ………………… 人は滅びつつある。
(2)ザアカイ ………………………………… 私たちは、負債を負っている。
(3)放蕩息子 ………………………………… キリストの愛が迫ってくる。
(4)百人隊長 ………………………………… キリストの命令である。
(5)空を見上げる人物 ……………………… キリストの再臨が近い。
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第10 課 史上最大のプロジェクト
イントロダクション
 人類の歴史上、世界征服の幻を持った人物や国家が、多く現れました。例えば、
  アレキサンダー大王
  ローマ帝国
   ナポレオン
   ヒットラー
などが考えられます。日本の歴史を見ても、
  豊臣秀吉
  徳川家康
  明治から昭和にかけての近代日本
など、その良い例です。
 しかし、これらの人物、国家の試みは、すべて失敗に終わりました。現代においては、
経済進出という形で、企業が世界征服をねらっています。
 この課で学ぶイエス・キリストのプロジェクト(大宣教命令)は、その規模において、
動機において、影響力において、今まで私たちが論じてきたどんな人物や国家よりも
大きなものです。
1. 大宣教命令は、4箇所に記されています。
 よみがえりのキリストは、40 日間、弟子たちの前に姿を現し、彼らを教え導かれま
した。その教えの中心テーマは、「神の国」でした(使徒1:3)。
 その「神の国」を来たらせるために、昇天されるとき弟子たちに与えたのが、大宣
教命令です。聖書には、4箇所にその記録が残されています。
 ・マタイによる記録 (マタイ28:18 ~ 20)
 ・マルコによる記録 (マルコ16:15 ~ 18)
 ・ルカによる記録  (使徒1:8)
 ・ヨハネによる記録 (ヨハネ20:21 ~ 23)
2. 大宣教命令の保証は、イエス・キリストの権威です。
 このような大きなプロジェクトが成功するためには、確実な保証がなければなりません。
  ・お 金?
  ・人 材?
  ・組 織?
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 弟子たちには、そのすべてがありませんでした。彼らにとっての保証は、イエス・
キリストの権威でした。
「イエスは近づいて来て、彼らにこう言われた。『わたしには天においても、地に
おいても、いっさいの権威が与えられています。それゆえ、あなたがたは行って、
あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプ
テスマを授け、また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るよ
うに、彼らを教えなさい。見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたが
たとともにいます』」 (マタイ28:18 ~ 20)
  【参照聖句】 ピリピ2:5 ~ 11、 コロサイ2:15、 Ⅰコリント15:55 ~ 56、 
   エペソ1:21 ~ 23、 黙示15:3 ~ 4
3. 大宣教命令の力は、聖霊です。
 弟子たちは、キリストと3年半にわたって生活をともにしてきました。また、十字架
の死と復活の目撃者ともなりました。しかし、それだけでは、キリストの証人となる
ことができませんでした。彼らは、ペンテコステの日の、聖霊の油注ぎを必要とした
のです。
「しかし、聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そ
して、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの
証人となります」 (使徒1:8)
「五旬節の日になって、みなが一つ所に集まっていた。すると突然、天から、激しい
風が吹いて来るような響きが起こり、彼らのいた家全体に響き渡った。また、炎
のような分かれた舌が現れて、ひとりひとりの上にとどまった。すると、みなが
聖霊に満たされ、御霊が話させてくださるとおりに、他国のことばで話しだした」
(使徒2:1 ~ 4)
 初代教会の弟子たちが、伝道のために、聖霊の力を必要としたのなら、現代に生き
る私たちは、どんなにその力を必要としていることでしょうか。
4. 大宣教命令の内容は、4つの動詞で表現されます。
 マタイ28:18 ~ 20 を中心に、その内容について考えてみますと、イエス・キリス
トがご計画されたこのプロジェクトの目的、方策が、明確になってきます。
(1)行く
 ・ある目的地に行くことではない。
 ・弟子たちは、迫害によって散らされた(使徒8:4、11:19 ~ 21)。
 ・どこに行こうとも、主の証人とならなければならない。
 ・存在を通した伝道。
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(2)バプテスマを授ける
 ・水のバプテスマは、霊的にキリストと一体化したことの象徴。
 ・バプテスマは、人の前での公の信仰告白(マタイ10:26 ~ 33)。
(3)教える
 ・バプテスマは一回限りの行為。
 ・教えることは、繰り返し行われる行為。
 ・キリストの命令を教える。
 ・自分で選択するのではなく、すべてを教える。
(4)弟子とする
 ・4つの動詞の中で、唯一の命令形。
 ・大宣教命令の中心語句。
 ・イエスの方法論 ――― 弟子づくり。
 ・パウロの方法論 ――― 弟子づくり。
「多くの証人の前で私から聞いたことを、他の人にも教える力のある忠実な人たち
にゆだねなさい」 (Ⅱテモテ2:2)
 パウロ → テモテ → 忠実な人たち → 他の人たち
  (親)    (子)      (孫)      (ひ孫)
5. 大宣教命令の動機は、5つあります。
 史上最大のプロジェクトは、動機において、他のどんなプロジェクトとも異なります。
自らの利益のためでなく、きよい動機で、神の国を広げていこうとするのは、教会だ
けです。
(1)人は滅びつつある
 目の前の人が、滅びつつあることを知ったなら、私たちはどのような行動をとる
でしょうか。
 1954(昭29)年の洞爺丸遭難事故で、沈没直前の船内で自分の救命具を他の乗
客に譲って水死したカナダ人宣教師アルフレッド・ラッセル・ストーンさん(当時
25 歳)の行為は、今も多くの人に感動を与えています。
(2)私たちは、負債を負っている
「私は、ギリシヤ人にも未開人にも、知識のある人にも知識のない人にも、返さな
ければならない負債を負っています」 (ローマ1:14)
「というのは、私が福音を宣べ伝えても、それは私の誇りにはなりません。そのこ
とは、私がどうしても、しなければならないことだからです。もし福音を宣べ伝
えなかったなら、私はわざわいだ」 (Ⅰコリント9:16)
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「彼らは話し合って言った。『私たちのしていることは正しくない。きょうは、良
い知らせの日なのに、私たちはためらっている。もし明け方まで待っていたら、
私たちは罰を受けるだろう。さあ、行って、王の家に知らせよう』」(Ⅱ列王記7:9)
(3)キリストの愛が迫ってくる
「というのは、キリストの愛が私たちを取り囲んでいるからです。私たちはこう考
えました。ひとりの人がすべての人のために死んだ以上、すべての人が死んだの
です。また、キリストがすべての人のために死なれたのは、生きている人々が、
もはや自分のためにではなく、自分のために死んでよみがえった方のために生き
るためなのです」 ( Ⅱコリント 5:14,15)
(4)キリストの命令である
「と申しますのは、私も権威の下にある者ですが、私自身の下にも兵士たちがいま
して、そのひとりに『行け』と言えば行きますし、別の者に『来い』と言えば来ます。
また、しもべに『これをせよ』と言えば、そのとおりにいたします」( マタイ 8:9)
(5)キリストの再臨が近い
 世界的に、終末に対する実感が広がっています。
 1743 年、ヘンデルのメサイアをはじめて聞いたキング・ジョージ2 世は、ハレルヤ・
コーラスに入ると立ち上がり、「王の王である方の前でどうして座っていることがで
きようか」と言ったそうです。
 人々が、王の王である方の前で、大コーラスを歌う日が、必ずやって来ます。
あなたに、その用意ができていますか。
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