進化論は嘘 22

第5 課
幼子として
「生まれたばかりの乳飲み子のように、純粋な、みことばの乳を
慕い求めなさい。それによって成長し、救いを得るためです」
(Ⅰペテロ2:2)
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第5課の絵の概念
1. 幼子 ………………………… クリスチャンは、霊的な幼子です。
(1)おむつをしている幼子 ………… 不完全な姿
(2)おしゃぶりをしている幼子 …… 抜けきらない古い習慣
2. 母親 ………………………… 神さまは、幼子の成長を期待されます。
(1)幼子を抱く母親 ……… 神さまは、現実の姿を受け止めてくださいます。
(2)成人した幼子の姿 …… 神さまは、可能性に目を留めてくださいます。
3. 哺乳びん …………………… 幼子は、みことばの乳で成長します。
(1)第1のびん …………… 聖書に何が書かれてあるか発見する。
(2)第2のびん …………… それが、どういう意味か解釈する。
(3)第3のびん …………… 自分の状況に適用する。
4. 5 羽の鳩 …………………… 幼子は、祈りという霊の呼吸で成長します。
(1)第1の鳩(親指) ……… 呼びかけ
(2)第2の鳩(人差し指) … 賛美
(3)第3の鳩(中指) ……… 自分の必要
(4)第4の鳩(薬指) ……… 罪の赦し
(5)第5の鳩(小指) ……… 悪からの守り
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第5 課 幼子として
イントロダクション
 人はどのようにしてクリスチャンになるのでしょうか。洗礼を受けたからといって、
また、教会に出席しているからといって、それだけでクリスチャンになるわけではあ
りません。
 クリスチャンになるためには、新しく生まれなければなりません。それは、イエス・
キリストを心に迎え入れることです。神のことば(聖書)の約束の確かさにより、た
とえその人が新生したことを感じられなくても、新しいいのちに一歩踏み出したので
す。それは、たとえて言えば、赤子が生まれたと感じなくても生まれているのと同じ
です。また、信仰の決心をいつしたのか分からないが、確かに信じている方がおられ
ます。不安に思わなくても大丈夫です。誕生日が分からないからといって、生まれて
いないわけではないのです。
1. クリスチャンは、霊的な幼子です。
 クリスチャンは、新しい生き方を始めた霊的な幼子です。神さまが私たちに期待し
ておられるのは、幼子から成人へと成長していくことです。
(1)不完全な姿
 幼子は、おむつが取れるまでには、3 年近くもかかります。おむつをしているか
らといって、異常なわけではありません。それが普通なのです。しかし、私たちは、
クリスチャン生活について、かなり間違った考え方をし、救われたばかりの人に対
して過大な期待を寄せていることはないでしょうか。また、自分に関しても、救わ
れた後の姿が以前とあまり変わっていないことに心を痛め、救いの確信さえも疑っ
てしまうことはないでしょうか。
 そのような誤解は、クリスチャンが霊的な幼子であることを理解していないとこ
ろからやってきます。
(2)抜けきらない古い習慣
 私たちは古い習慣からなかなか抜け出すことができません。部屋の模様替えをし
た後、つい以前家具のあったところに体が動いてしまうことがあります。クリスチャ
ンとして成長し、古い習慣から抜け出すには、時が必要です。
2. 神さまは、幼子の成長を期待されます。
 神さまは、私たちが成長するために、さまざまな訓練をお与えになります。それは
人間の親子関係の場合と同じです。
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「 そして、あなた方に向かって子供に対するように語られたこの勧めを忘れていま
す。『わが子よ。主の凝らしめを軽んじてはならない。主に責められて弱り果てて
はならない。主はその愛するものを懲らしめ、受け入れるすべての子に、むちを
加えられるからである。』訓練と思って耐え忍びなさい。神はあなた方を子として
扱っておられるのです。父が懲らしめることをしない子がいるでしょうか」
(ヘブル12:5 ~ 7)
(1)神さまは、現実の姿を受け止めてくださいます。
(2)神さまは、可能性に目を留めてくださいます。
 この2つのポイントをしっかりと心にとめておくことが大切です。イエスがペテロ
を召されたときのことばはこれです。
「彼はシモンをイエスのもとに連れて来た。イエスはシモンに目を留めて言われた。
『あなたはヨハネの子シモンです。あなたをケパ(訳すとペテロ)と呼ぶことにし
ます』」 (ヨハネ1:42)
 イエスは現実の姿を知り、「あなたはヨハネの子シモンです」と言われました。しかし、
それと同時に彼の内にある可能性にも目を留め、「あなたをケパ(岩という意味)と呼
ぶことにします」とも言われたのです。
3. 幼子は、みことばの乳で成長します。
 肉体が、外から摂取した食物によって出来上がっているように、私たちの内なる人
(霊性)も、みことばの乳によって出来上がってきます。次に述べる3つの点は、聖書
を読んでいく上での基本的なステップです。聖書解釈学というものは、それ自体が科
学であり、芸術ですので、限られたスペースですべてを書き尽くすことはできませんが、
解釈学の基本を知っておくだけで、大きな助けになります。
(1)聖書に何が書かれてあるか発見する(What does it say?)。
 ここで一番大切なことは、普通の本を読むように読むことです。何か特別な文章
でも読むような恐れを感じる必要はありません。
(2)それが、どういう意味か解釈する(What does it mean?)。
 次にしなければならないことは、解釈です。現代人と聖書には3つのへだたりが
あります。
  ・時間的へだたり
  ・地理的へだたり
  ・文化的へだたり
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 このへだたりを越えなければ、本当の意味を解釈することができません。正しい
理解のためには、次の2点を念頭に置いておくことが大切です。
  ・著者はここで何を意図しているか。
  ・それを聞いた当時の人々はどう理解したか。
 正しい解釈を助けるために、注解書、参考書、牧師の説教、などから学ぶ習慣を
身につけましょう。
(3)自分の状況に適用する(What does it mean to me?)。
 聖書研究の目的は、まだ知らない真理を発見し、それを体験し、それに基づいて
行動を開始することです。
4. 幼子は、祈りという霊の呼吸で成長します。
 聖書には、「霊の呼吸」という用語は出てきませんが、クリスチャンの祈りを表現す
るものとしては、この用語は最適です。食物がなくても水さえあれば、40 日くらいは
生きることができますが、呼吸ができないと、数分で窒息死してしまいます。
 祈りの方法を、「主の祈り」(マタイ6:5 ~ 15)から学んでみましょう。
(1)呼びかけ
「天にいます私たちの父よ」
 祈りは、呼びかけの言葉から始まります。呼びかける相手は「天にいます私たち
の父」です。この呼びかけは、神への完全な信頼から生まれるものです。歴史上、
キリスト教反対者となった人たちの中には、父親との関係に問題があった人たちが
多くいます。
(2)賛美
「御名があがめられますように。御国が来ますように。みこころが天で行われるよう
に地でも行われますように」
 この段階では、神の偉大さや性質を思い起こし、神をたたえましょう。神の永遠性、
遍在性、愛の性質などについて黙想しましょう。また、過去の祝福を思い起こしましょ
う。
 さらに、神の支配と神の御心が地上に実現するように、「神の国の計画」が進展す
るように祈りましょう。教会のため、牧師や役員のため、宣教師のために祈るのは
この段階です。また、まだ救われていない人が救われるように祈るのもこの段階です。
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(3)自分の必要
「私たちの日ごとの糧をきょうもお与えください」
 主の祈りの特徴は、神の御心、そして、自分の必要という順番で祈ることです。
この段階では、肉体的な必要のために祈りましょう。また、食物以外のさまざまな
必要についても祈りましょう。経済的試練、人間関係の試練、肉体的試練などにつ
いて祈るのは、この段階です。
 思い煩いは罪であることを思い出し、その日に必要な力が与えられるように祈り
ましょう。
(4)罪の赦し
「私たちの負い目をお赦しください」
 これは、罪の赦しを求める祈りです。神は罪人である私たちが、そのままの姿で
神の前に出ることを待っておられます。
 「主の祈り」の組み立てに従うなら、罪の告白は祈りの冒頭に来なくてもよいので
す。他人の罪を赦すことが罪が赦される条件である、という意味ではありません。
(5)悪からの守り
「私たちを試みに会わせないで、悪からお救いください」
 これは、霊的な戦いの中で、守りが与えられるようにという祈りです。クリスチャ
ンは、この世から隔離された「無風状態」の中に置かれるのではありません。クリ
スチャンは、この世で患難を経験しますが、キリストにあって勝利します(ヨハネ
16:33)。
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