植物性乳酸菌を大切にする食生活

K:木内さんの食材選びや食事づくりに関して、読者の方たちに私が伝えたいことはいろいろとあるのですが、根幹になる重要なことの一つとして伝えたいのは、先ほど木内さんがおっしゃっていた発酵食品を大切にしているというところですね。日本食の豊かさは、発酵食品にありますね。


木内:そうなんです。特に重要だと考えているのは、植物性乳酸菌の発酵食品です。日本食は、この植物性乳酸菌の発酵食品として優れたものがたくさんあります。たとえば、納豆もまさに植物性乳酸菌の発酵食品ですし、味噌や醤油、酢、みりんなどもそうです。


K:日本が世界に誇る調味料は、植物性乳酸菌の発酵食品ということですね。

 

木内:そうです。こうじ菌からつくられる日本酒や焼酎、塩こうじなども、植物性乳酸菌の発酵食品です。

 

K:あらためて考えてみると、日本食の素晴らしさは、植物性乳酸菌の発酵食品に支えられているということですね。

 

木内:日本食のおいしさの食文化をつくっているだけでなく、最近の研究では、植物性乳酸菌は胃酸に強く、生きたまま腸内に届くので、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らして腸内細菌のバランスをよくする働きがあることが分かってきています。


K:そこが、ヨーグルトやチーズなどの動物性乳酸菌の発酵食品よりも優れているといわれている点でもある……。

 

木内:そこは特に知っておいてほしいところです。同じ発酵食品でも、植物性乳酸菌の発酵食品は栄養学的に優れているし、日本の風土のなかで生まれてきたもなので日本人の体に合っていると思います。

 

K:木内さんのランチセッションでは、そういう日本食の豊かさをシンプルなかたちで味わうことができるわけですね。植物性乳酸菌の発酵食品の素晴らしさについても、おいしさを味わいながら知ることができる。

 

木内:そこは、私がつくる食事の核になっているところといえますね。栄養学的にも、日本食の素晴らしさを再発見できるところです。