生活様式をサポートすることが大切

K:どのような食品、食材を選び、それをどのように料理するか。クライアントはそのプロセスを見ることができ、さらにその料理をいっしょに味わうことができる。これまでになかったパーソナルトレーニングのかたちですね。栄養に関する知識をアドバイスしてもらうだけでは得られない“体験”を、クライアントは得ることができますね。

 

木内:栄養に関する知識だけでなく、私自身の“食”に関わる生活様式をクライアントが実際に体験することができるというのは大きな違いだと思います。
「ダイエット」という言葉は、もともとギリシャ語の「diaita」という言葉に由来するといわれていて、この「diaita」の意味は「生活様式、生き方」ということだったということです。日本では「やせるための食事」という意味で使われていることが多いですが、これは英語の「diet」の意味からかなり外れてしまっています。
 私としては、ギリシャ語の語源に近いところで、「健康的に生きるための生活様式(食生活の様式)」ということを軸に、クライアントの“食”のサポートをしたいと考えています。

 

K:確かに“食”の問題は、生活様式が大切ですね。木内さんとは、食品や食材のことについてこれまでいろいろと話す機会があったので、木内さんが栄養学の分野だけでなく、健康のための食品、食材に関して造詣が深いことはよく知っています。木内さん自身が料理をするということは、それをさらに生活様式に落とし込むという意味がありますね。
 料理を提供するようになって、クライアントの反応はどうですか?


木内:私自身はプロの料理人ではないし、料理を得意にやってきたタイプではないので、食材のよさを活かした、そして健康にいい料理を、私なりの料理の技量でやるしかありません。それでも、土鍋で炊いた玄米ごはんや雑穀米のごはん、厳選した食材のおいしさをシンプルに活かす料理は、クライアントの方たちにとてもおいしいと喜んでもらっています。