キャリア30年を経ての新たな取り組み

聞き手(以下、K):木内さんはもともと明治製菓に勤められていたこともあって栄養学やサプリメントのことも詳しいので、今日のインタビューはその方面の話を聞こうと考えていたのですが、木内さんの近況をうかがうと、昨年からパーソナルのセッションで新たな取り組みをされているということなので、そしてそれが食事に関することも重要な要素として含まれているということなので、その新たな取り組みについてうかがっていくことにしたいと思います。
 まずは、昨年から始められたという取り組みの概要についてですが、これまでのセッションとどういう点が大きく違っているのでしょうか?

 

木内:パーソナルトレーナーは、クライアントが健康的な生き方をしていけるように、運動や食事など生活全般のサポートをしていくわけですが、昨年の10月から大きく変えたのは、私自身の生活様式をクライアントに開示しながら、運動だけでなく、健康のためには非常に重要な食材選びや食事のつくり方、いい睡眠の取り方など、クライアントの生活様式に関わることをセッションで経験してもらえるようにしたところです。

 

K:そうしたセッションをどこで行っているのですか?


木内:私が住むマンションの中で行っています。エクササイズなどのセッションだけでなく、食事を私が実際に作って、クライアントといっしょに食べるのも今回の取り組みの重要な要素なので、電磁調理器ではなく、4口のガスコンロが備わっているところを探しました。


K:エクササイズができるスペースだけでなく、本格的に料理ができる条件のところを選んだわけですね。木内さんは、ふだんから自分で料理をよく作っているのですか?

 

木内:自分ではほとんど料理を作ってこなかったんです。トレーナーとして栄養学の最新研究について30年くらい勉強してきましたし、食品や食材の栄養素などについても最新の研究をもとにクライアントや講習会参加者の方たちに伝えてきましたが、実際の料理まで自分でするということはありませんでした。


K:健康にいい食品や食材に関する知識を解説するだけでなく、実際にそれらを料理するところまで木内さん自身が行うようになった。料理をしてこなかった木内さんが、自分で料理をして、クライアントにもそれを提供するというのは、画期的な一歩というか、大きな変化ですね。


木内:健康にいい食材選びから、スグレモノの調理器具選び、そして健康にいい料理づくりの実践。ここまでくるのに30年かかりましたけどね。

 

K:木内さん自身の生活様式の大きな変化でもあるし、その料理をクライアントに提供するというのは、パーソナルトレーナーとしての仕事としても大きな意味を持ちますね。


木内:食材選びや料理というのは、健康づくりに欠かせない、非常に重要な要素なので、パーソナルトレーナーとしてその重要な部分のサポートまで仕事の幅を広げられるというのは、本当に大きな変革だと考えています。