気づかないうちに「自分を責める頑張り方」 をしていないでしょうか?Part 2

特集の「取材を終えて」のなかでも触れましたが、イップスが起きる心理的背景として、「できない自分、ダメな自分を
責め続ける」ということがあるのではないかと感じます。
 これは、うつ病の原因として、精神科医の髙橋和巳氏があげていることと共通します。髙橋氏は、頑張っても成果があ
がらないこと(頑張りの空振り)がうつ病につながっていくメカニズムについて次のように説明しています。

 

自分の人生を楽しく、安心して歩むために人は規律を作り出し、それを自分に課し、守る。それが頑張りの元である。
 
頑張りの空振り
 しかし、規律は一度できると、もともとの必要性、すなわち生きるため、から離れて「一人歩き」するように見える。どういうことかというと、規律を守れない自分を責め、うつ病になり、そして、規律を守れない自分は生きる価値がないと生きることを否定し、最後には自殺へとおよぶことさえあるのだ。安心して生きるために作り出した規律が、今度はその人の人生を破壊してしまう。
(『本当のうつ病――頑張り方を変える処方箋』より)

 

■スポーツもフィットネスも、健康づくりも、頑張り過ぎて「できない自分」「ダメな自分」を責めてしまう状態になって
しまっては、本来のよさを失うばかりか、大きなマイナスになってしまいます。
「できる自分」も「できない自分」も、許容できるような頑張り方――「自分を責めない頑張り方」を私たちは見つける
必要があるのではないかと思います。