気づかないうちに「自分を責める頑張り方」 をしていないでしょうか?

今号の特集は、「イップス」という不思議な現象の対策について、中野ジェームズ修一氏にうかがいました。
 スポーツ選手は向上心があるからこそ、失敗のパフォーマンスを反省し、その分析を成功に結びつけようとします。しかし、失敗した自分を見続けることで、ネガティブな悪循環に入ってしまう。人間の心(精神)の世界、そして心と体のつながりについては、分からないことがまだまだたくさんあると感じました。
■中野氏は、「真面目に反省すればするほど、イップスに陥る要因になりやすい面がある」「なんでその悪いプレーになっ
てしまったかを反省し、改善するために、その映像を何度も何度も見る。それを繰り返しているうちに、悪いプレーの映像
が頭のなかに残ってしまい、そこから抜け出せなくなってしまう」と指摘しています。
 これは、「反省して頑張る」という、本来、向上するために行ってきたことが、いつの間にか「できないネガティブな自分」の刷り込みになっていたり、マイナスのイメージを定着させることになっていたりするということだと考えられます。

こうした「反省して頑張る」→「それでも成果があがらない」→「さらに頑張り続ける」→「それでも成果があがらない」
…………「できない自分を責める」というような悪循環は、イップスのレベルまでいかなくとも、ふだんの私たちの日常生活、仕事などで起きていることではないでしょうか。