弱点を強みに変える

クラシックフィジーク競技期待の新進プロ、クリス・バムステッドがアドバイスする背中のトレーニング

 

TEXT/マイケル・バーグ
Michael Berg

 

2017年および2018年オリンピア・クラシックフィジーク2位のクリス・バムステッドは、この部門最高の体の持ち主の一人だ。幅広い肩、細いウエスト、そしてどのボディパートも見事に鍛え上げられた身長183 cm、体重225ポンド(102.1kg)の引き締まった体。
一目見ただけでその素晴らしさに圧倒される、文句のつけようがない体の持ち主が、欠点に悩んでいたと聞くと、首をかしげずにはいられないだろう。「背中が自分の弱点だというと、たいていは不可解な顔をされた」とバムステッドはいう。

 

「広背筋の広がりが大きすぎることが逆に欠点となって、フロントポーズを邪魔してしまった。背中のトレーニングで重要なのは幅を広げることだけではない。密度の高い筋肉をつくることも同じように重要なのだ」
 カナダ出身、23 歳の新進プロ、バムステッドが、2018 年オリンピア・クラシックフィジークに向けて行った背中のトレーニングのポイントを紹介しよう。背中のあらゆる弱点を取り除くことを目的にしたトレーニングプランだ。

 

軽めのウェイトを使って筋肉の収縮に重点をおく
「背中の筋肉をしっかりと働かせるためには、筋肉の収縮に重点をおく必要がある。そのために軽いウェイトを使って収縮がしっかりと感じ取れるようにしている」とバムステッドはいう。
 まず重いウェイトを使う1〜2種目を行い、そのあとケーブルロウやラットプルダウンといったアイソレーション種目を行う方法をとっている。

 

ターゲット部位を変えながら鍛える
 クローズ・ハンマーグリップ・ラットプルダウンでは、バムステッドは次の方法をとってターゲット部位を変えながら鍛えている。
「最初の10レップはハンドルをへそに向けて引く。広背筋の強い収縮を感じとりながら行う。そのあとハンドルを頭上に戻して静止し、筋肉を15 秒ストレッチしてから、残りのレップはハンドルを胸の下部(乳首のすぐ下)まで引く方法で限界まで行う」

 

クリス・バムステッドの背中のトレーニング

エクササイズ                                  セット数                        レップ数

デッドリフトまたはラックプル*        6                                  6〜12
ベントオーバー・バーベルロウ           4                                 10〜12
ショベルハンドル・ケーブルロウ        4                                 10〜12
クローズ・ハンマーグリップ・

ラットプルダウン                                4                                12〜15
ワイドグリップ・ラットプルダウン     2                                    15
ダンベル・プルオーバー                      2                                 10〜12
バックエクステンション                      2                                限界まで

 

*  バムステッドはデッドリフトとラックプルをセッションごとに交互に行っている。どちらを行う場合も、セットご
とにピラミッド式に重量を増やしながら6セットを行い、最終セットは6〜8レップで完全な限界に達するようにしている。