フォームローラーの使い方、 5つの間違い

フォームローラーの効果を最大限に得るための正しい使い方
アンドリュー・ガットマン Andrew Gutman

フォームローラーは筋肉のかたくなった組織を緩める効果が高く、それによって血流をうながし、痛みを軽減する効果も得られる。どこでも手軽に使うことができるし、価格も手頃だ。だが、そんな便利で効果的な器具も、使い方が不適切であれば時間のムダにしかならない。そこで正しく使うためのアドバイスを、ランブルローラー(Rumble Roller)の開発者であるロン・ジョンソンに求めた。以下に、ジョンソンが指摘する最もよくみられる5つの誤りと、その改善法を紹介していこう。

 

ローラーを速く転がしすぎている

「ピザの生地を伸ばすのとは話が違う」とジョンソンは指摘している。「ローラーを当てることによって、その部位の
神経系に変化を引き起こすことを狙いとしているが、その変化はすぐには起こらない」
 かたくなっている部位を見つけたら、そこにローラーを当ててゆっくりと転がす。1カ所に20 秒以上かけてから、次の部位に移る。

 

トレーニング中に行わない

フォームローラーはトレーニング中に使わないようにと、ジョンソンはアドバイスしている。
「ジムでハードにトレーニングしたあと、自宅に帰って体を休めながらフォームローラーを使うようにしよう。 フォームローラーはトレーニングの一部でないし、ウォームアップ効果をねらうものでもない。理学療法の一つと考えるべきだ」
 トレーニングとは切り離し、テレビを見ながらでもいいので、ゆっくりとリラックスして行えばいいということだ。

 

筋肉を緊張させている

「筋肉をリラックスさせることに集中しよう。そうするとローラーをより深く当て、より深部の筋線維まで刺激できる」とジョンソンはアドバイスしている。 体のポジションにはあまりこだわらなくていい。負荷を使っているわけではないので、体のアラインメントはそれほど重要ではないからだ」ほぐしたい部位に最もしっくりくる体位をとってローラーに体を当て、リラックスしてゆっくりと転がしていけばよい。

 

筋肉の付着部位に重点をおいていない

「フォームローラーの効果を最大限に得るためには、筋肉の付着部位(起始、停止部)近くに当てる必要がある」とジョンソンは指摘している。「この部位を刺激するには、表面のなめらからなローラーよりも、突起のあるローラーのほうが効果的だ」

 

1種類のフォームローラーしか使っていないフォームローラーを当てた刺激が強すぎて、筋肉をリラックスさせた状態で持ちこたえられないとしたら、フォームローラーが硬すぎる可能性があるので、フォームローラーの強度のレベルを下げることをジョンソンはすすめている。
「強度にこだわって柔らかいフォームローラーを使うことを避けるべきではない。フォームローラーを使い分け、自分の体のそれぞれの部位に適切なマッサージ効果をもたらすものを使うようにするべきだ。ほとんどのフォームローラーはマッサージ治療1回分よりも安いことを考えれば、複数そろえておくことは決して高い出費ではない」