NK細胞はネガティブなストレスのときに がくんと下がる

T 細胞、B 細胞が心の影響をほとんど受けないのに対し、NK 細胞は心の影響を大きく受けるということです。つまり、T 細胞、B 細胞がストレスの影響がないのに対し、NK 細胞はストレスの影響を大きく受けるということなので、がんなどの病気の予防のためには、ネガティブなストレスをできるだけ少なくすることが重要になります。NK 細胞の活性とストレスに関して解説した箇所を、以下に抜粋して引用します:

 

 もう一つ大事なことは、NK 細胞は心の動き、精神状態の影響を大きく受けます。NK 細胞は、ちょっとしたストレスで、ドスンと下がります。 それに対して、B 細胞、T 細胞は、ほとんど心の影響は受けません。つまり、ストレスの影響はないのです。ただし、栄養の影響が大きく、栄養の低い人はB 細胞、T 細胞という免疫力が低いのです。
 さて、ストレスといっても、難局に自ら気力を持って立ち向かうときに受けるようなアクティブでどちらかというとポジティブなストレスと、やむをえない状況で受けるネガティブなストレスがあります。同じストレスといっても、いいストレス、悪いストレスがあるわけです。たとえば、高校生は若いのでNK 細胞の活性がもともと高いものです。それでも、期末試験や入学試験など、やむを得ないストレスを感じると、NK 活性がドスンと下がります。試験のときに風邪をひきやすくなるのは、NK 活性が下がってしまうからなのです。
 もっとも強いストレスは、動物実験では、子育てをしているラットから子どもを取り上げてしまうことです。すると、母ラットのNK 細胞の活性が大きく落ちてしまい、しばらく上がりません。それは人間も同様で、母親が赤ん坊を失ったときのストレスが一番大きいのです。このように、愛する相手を失ったときにストレス、悲しみは、やむをえないネガティブなストレスの代表的なものです。NK 細胞は、精神的なストレス、とくに悲しいストレスに非常に弱いのです。
(中略)

それに対して、たとえばゴルフでOBを出してストレスを感じても「よし、次は何とかするぞ」とアグレッシブにやる気があるときには、NK 細胞の活性が上がるのです。ストレスといっても違うのです。