NK細胞は年齢の影響を受ける

T 細胞やB 細胞が、年齢や気分に影響されず働くのに対し、NK 細胞は年齢の影響を受けることが分かっているといいます。
 奥村氏によると、NK 細胞は六十歳前後からぐんと下がってしまうので、五十歳くらいになったら、NK 細胞を活性化させる生活を心がけることが大切だということです。

 

 以下、NK 細胞が年齢の影響を受けることについて解説した箇所を、抜粋して引用します:

NK 細胞が元気であれば、がん細胞が増殖することはありません。つまり、がんになることはないわけです。ところが、NK 細胞が元気をなくすと、がん細胞が増殖してしまいます。つまり、発がんの流れになるというわけです。
 このNK 細胞が、T 細胞、B 細胞の軍隊と大きく違うのは、年齢の影響を大きく受けることです。軍隊であるT 細胞、B 細胞は百二十歳になってもなんともないのですが、NK 細胞は、動物実験では人の年齢にたとえれば、十~二十歳のときにぐんと上がり、六十歳以上になると、どうしても下がります。それを人の年齢にそのままあてはめるのは難しいのです。なぜかといえば、NK 活性が低い人は六十歳くらいまでで死んでしまっていて、六十~七十歳で生き残っている人は、みんなNK 活性が高いからです。ですから、人間の場合、動物実験のようなカーブは、なかなか出てこないのです。
 しかしNK 細胞の活性は、一般に人間でもほぼ六十歳以上になれば年齢とともに下がると考えられます。NK 細胞は年齢の影響を大きく受けるのが、T細胞、B 細胞とは違うところです。つまり、NK 細胞は年齢とともに衰えやすいのです。