小さな関節が持つ大きな可能性

足首と手首の関節の柔軟性を高めることがケガを予防し、パフォーマンス向上につながる
ブライアン・マシューズ Brian Matthews, C.S.C.S.

 

股関節や下背部に比べると注目度はずっと低いが、足関節と手関節は動作を効率的に行い、ほかの部位の関節の負担を軽減し、痛みを防ぎ、さらにはほかの関節の動きを助けるためにも重要な役割を担っている。
 足関節、手関節の柔軟性が低い場合、以下にあげる方法にしたがって可動性を高め、筋力が十分に発揮されるようにしていこう。

 

問題
 足関節、手関節の可動域が狭いと、膝と肘に痛みを引き起こす可能性がある。 さらに問題なのは、問題の原因が足関節、手関節にあることに気づかないことだ。原因となっている足関節、手関節をケアせず、膝や肘にばかり注意を向けてしまうのだ。

原因
 関節は可動域が十分に使われていないと、可動性がすぐに低下してしまうことになる。「体は下から上へと動きが伝わる」と、ロングアイランドでジム(AMP Training)を運営するクリス・クーパーは説明している。

 

「足首の可動性が低下すると、下から上への動きの連鎖がうまくいかず、全身の動作に影響がおよぶことになる。つまり、スクワットにもランジにも影響がおよぶのだ」
 同じことは、手関節についてもいえる。手関節の可動性の低下によって、膝や肩に影響がおよぶことになるのだ。

 

改善策
 可動性は単に体が柔らかいといったことではなく、筋力を高める重要な一要素と考えるようにしよう。可動性が低ければ、重いウェイトを上げることはできないのだ。 まずは、足関節、手関節の可動域を向上させる取り組みをしよう。
 そして可動性が高まったら、それを維持・強化するエクササイズを行うようにしよう。 足関節、手関節とも蝶ちょうつがい番のように屈曲・伸展動作を行う関節だが、ユニークな点は、どちらも横方向への動きにも少し対応するという点だ。