このカテゴリーには、中枢神経刺激作用を持つものは含まれていない。カフェインには持久力を高める作用があるが、
「エネルギーを高めるサプリメント」は中枢神経系への刺激を主要な作用とせずに持久力を高める物質をいう。以下にあげ
るうちの２つ以上が、ワークアウト前サプリメントに含まれているようにしよう。
チロシン
神経を苛立たせる作用をもたらさずにエネルギーレベルを高めることが確証されているアミノ酸である。また、スタミ
ナと集中力を高めることも、研究で示されている。チロシンは体内で重要なホルモンや神経伝達物質物質（エピネフリン〈アドレナリン〉、ドーパミンなど）生成の前駆物質として使われる。
ロディオラロゼア
さまざまなストレスに対する体の抵抗力を高める作用を持つ（「アダプトゲン」といわれる）ハーブである。病気や体内
の重要なホルモン（テストステロンや成長ホルモン、インスリン様成長因子〈IGF〉-1、ドーパミン、甲状腺ホルモンなど）
の低下を防ぐ働きを持ち、異化ホルモン（筋肉の分解を招く）のコルチソルのレベルを下げる作用もある。
シザンドラチネンシス
中国原産のツル性の植物で、何世紀にもわたって中国の伝統医学で用いられてきた。筋持久力や脳の機能を高めるほか、
コルチソルレベルを低く保つ作用もある。
ビタミンB 群
ビタミンB6、B12 はエネルギー生成に欠かせない働きを持つ。ビタミンB 複合体のサプリメントを摂っている場合は、
ワークアウト前サプリメントに必ずしもビタミンB6、B12 が含まれていなくてもよい。
タウリン
タウリンは筋持久力を最大50 ％まで高める作用があることが、研究で確認されている。タウリンが持久力向上に効果
をもたらす理由の一つは、心臓のポンプ作用を高めて筋肉により多くの血液が送られるようになる可能性があることだと、
ドイツの研究で報告されている。また別の研究では、ワークアウト前にタウリンを含むドリンクを摂った被験者は、ベンチプレスで完了したレップ数が偽薬群よりも多かったことが報告されている。ワークアウト前サプリメントにタウリンが含まれていない場合は、エネルギーを高める作用を持つその他の物質が必ず含まれているようにしよう。