下背部の痛みを 引き起こさずに 脚を鍛える方法

スクワットを除外する
下背部に問題を抱えている場合、スクワットに代わる効果的な種目がいろいろある。それらを活用して脚を強化していくことができる。

 

今回は、下背部の問題に対処しながら脚のトレーニングを行う方法を紹介していこう。
 アメリカでは20〜59 歳の人の推定19.6%が慢性の下背部の問題に悩まされているというデータがある。さらには、下背部の痛みの頻度が増し、ピークに達するのは35〜55 歳の年齢であることも示されている。まさに働き盛りの年代の人たちが、下背部の慢性的な問題に悩まされているということだ。
 だが、下背部に問題を抱える上記の20%の範囲に入る人であっても、ここで紹介する方法を取り入れて、痛みを引き起こさずに体を鍛えていくことは可能だ。

 

腰椎についての基礎知識
 腰椎とは脊椎下部の腰の部分(中背部から股関節までの位置)にあたる骨で、5個の椎ついこつ骨から成り、6本の靭帯で支えられている。これら椎骨同士の間には椎間板という軟骨組織があり、骨同士の接触を避け、衝撃を吸収する役割を果たしている。
 しかし椎間板は過度の荷重や年齢を重ねることなどによって次第にすり減り、変性してしまい、変形性関節症や退行性椎間板変性症、椎骨骨折をはじめ、さまざまな問題を引き起こすことになる。

 

脊椎に起きやすい問題
 脊椎の問題について、理学療法士のチャーリー・ウェイングロフは次のように話している。
「脊椎を健康に保つうえで最も大きな問題となるのは、脊椎にかかる圧縮力、剪せんだん断力、屈曲の力の3つだ」
 脊椎に圧縮力がかかると椎間板が圧縮され、剪断力がかかると椎間板の位置がずれ、屈曲の力は脊椎を過度に伸展させてしまうことになる。この3つの力が脊椎のケガを招くことになる。「この3つの力による衝撃を最小限に抑えながら、力を最大限に発揮できる方法が、下背部の問題に対処しながら強化する方法になるということだ」とウェイングロフはいっている。

 

どのように対処すればいいか
 まず第一には、医師の診察を受けること。もしトレーニングを行うべきではないといわれたら、医師の言葉にしたがう必要がある。だがそうでなければ、下背部に問題があっても、理学療法をとおして改善したり、適切なエクササイズを行うことで症状を緩和できるケースはたくさんある。ウェイトトレーニングによって脊椎を支える筋肉を強化することもその一つだ。さらに脊椎周囲の筋肉を強化することは、今後のケガのリスクを抑えるためにも役立つ。ただし、やみくもに鍛えればいいわけではない。重要なのは、避けるべき動きを知ることだ。そうでないと、症状をさらに悪化させてしまうことになる。以下にあげる避けるべきエクササイズをルーティンから除き、それに代えて行うエクササイズで鍛え、下背部を守りながら成果をあげていこう。

つづく