運動負荷の設定法② 心拍数を計り、「ステート」に応じて行う

自らの「キャパシティ」に応じた運動負荷を定めたら、次は、日々の状況の変化を示す「ステート」に応じて柔軟に動きましょう。「キャパシティ」は大きく変動しませんが、「ステート」は日々変わるものだからです。
 

運動をしている人には、「キャパシティ」に応じたルーティンをくずすのを嫌がる人が少なくありません。1㎞6分のペースで10㎞を走ると決めたら、疲れていても、雨が降っても、何としてでもそのペースで走り通そうとすることがあるでしょう。走り終わると、「疲れていたのに、いつもと同じように頑張れた!」と達成感を覚え、疲労感は吹き飛ぶかもしれません。これこそが「隠れ疲労」の状態です。実際には、脳疲労が溜まっているので危険です。

 

スポーツクラブのスタジオプログラムのように、「キャパシティ」も「ステート」も異なるメンバーが同じエクササイズを続けることも、人によっては疲労の蓄積につながります。集団でトレーニングする場合は、そのことを認識しておきましょう。

5時間しか眠れなくて疲れているときと、8時間眠れて疲れがとれているときでは、「ステート」は当然異なります。同じ「キャパシティ」でも、心身への負荷の加わり具合が変わるので、毎回、「ステート」に合わせた負荷 × 継続時間を心がけてください。

 

運動前に「ステート」を判断する指標になるのは、1分間あたりの心拍数です。疲れを溜める心配がなく、疲労回復効果が高い運動としてストレッチがあります。

 

静的ストレッチも動的ストレッチも、筋肉と関節の動きをスムーズにして血流を促進するので、疲労因子FF の発生の元となる老廃物の排出を助けます。加えてストレッチで血流がよくなると、緊張で優位になっていた交感神経から、副交感神経優位に切り替わりやすく、リラックスして疲れが軽くなります。