横向きで寝ると、いびきをかかずに熟睡できる

疲れにくくするコツは、数多くありますが、いったん起こしてしまった疲れを回復させる方法は質のよい睡眠しかありま
せん。
 眠りで疲れをとるために、つまり、質のよい睡眠を得るためにまっ先にチェックしたいのが、寝る姿です。結論から言うと、「あお向けで寝ているといびきをかくために疲れがとれにくく、横向きで寝るほうがいびきをかきに
くくて疲れがとれる」ことがわかっています。そう、睡眠の質には、「いびき」が大きく関わっているのです。多くの人はあお向けで寝ていると思いますが、その場合は、舌の根本である舌根やのどの筋肉が重力で垂れ下がりやすくなります。それによって、「気道が狭くなっていびきをかく」「気道がふさがって低呼吸で呼吸が止まりかける」「呼吸が完全に止まって無呼吸を起こす」などの状態になりやすくなります。朝起きたときに、頭がぼうっとして「よく眠れなかったなあ」と感じるのは、睡眠中にこれらのことが起こっているからかもしれません。こうなると、睡眠で疲れがとれるどころか、余計に疲労を蓄積することになります。

 

「睡眠の質を高めるための姿勢」は、横向きです。横向きなら、舌根が下がる心配がなく、気道が狭くなる、ふさがるリスクが避けられます。あるクリニックの実験データでも、横向きに寝た場合のいびきの量は、平均的にあお向け時の約半分になり、低呼吸と無呼吸も約半分に抑えられることが明らかになっています。いびきを放置することは、慢性疲労の原因になります。また、慢性疲労は内分泌系や免疫系を疲弊させ、その結果、糖尿病や高血圧など生活習慣病のリスクを著しく高めます。つまり、慢性疲労や生活習慣病を起こしにくくするコツ、それは、いびきをかかないようにすることなのです。