終業後のスポーツクラブ、土日の早朝ゴルフは危険

仕事を終えてから、スポーツクラブでトレーニングに励むビジネスパーソンもいますが、これは少なからず危険を伴う行為です。
「仕事で疲れていても、運動して汗をかくとストレス発散になって疲れがリセットされる」という意見をよく耳にしますが、仕事で脳に疲労が溜まっているところに、さらに運動で自律神経の疲労を溜めたら、疲れもストレスも倍増します。

疲れがリセットされたと感じるのは、前述のとおり、運動することでエンドルフィンやカンナビノイドなど、脳内麻薬と呼ばれる物質が疲労感を隠すマスキング作用が働くからであり、「疲労感なき疲労」「隠れ疲労」が蓄積するだけです。

 

これらの作用はほどなく時間とともに消滅しますが、休息をとらない限り、脳疲労はリセットされないままです。仕事のあとにスポーツクラブなどで運動する時間があるならば、むしろ早く帰って休息をとるほうが脳疲労は改善します。

 

また仕事熱心なビジネスパーソンは、休日に早朝ゴルフに出かけるのも危険です。前日、夜遅くまで残業して疲れきった状態で早朝ゴルフに向かい、ティーグラウンドに立った第1ホール、すばらしい景色の中でドライバーを振るのは気持ちいいことでしょう。しかし、ボールはフェアウェイを外れて山すそへ。右左に走りながらグリーンで息を止めてパットするとき、心拍数と血圧は乱れ、自律神経の疲労はピークに達します。そして、自律神経が破たんし、心筋梗塞や脳出血を起こします。

 

医学的には、健康を損ねる前に自らの疲労のサインを見逃さないことこそがもっとも重要なのです。