疲労が蓄積すると視野が狭くなる

「飽きる」という疲れの兆候が表れると脳の情報処理能力が下がりますが、「飽きる」というサインを無視すると、次には「疲れる」「眠くなる」というサインが出てきます。疲労を警告するにあたり、「疲れる」という感覚の前に「飽きる」というサインが出てくるのも、人の生体に備わった防御システムと言えるでしょう。
「飽きる」「疲れる」眠くなる」は脳疲労のサインです。この3大サインを無視して作業を続けていると、次には「視野が狭くなる」という症状が現れることがわかっています。目でみて気づく、みつけることができる範囲を「周辺注意力視野」と呼びますが、この周辺注意力視野が狭くなってくるのです。

 

なぜ脳疲労が溜まると周辺注意力視野が狭くなるのか。その根本的な理由は、人の脳は視覚から90%近くの情報を得ているという点にあります。

 

視覚からの情報はそれほどに量が多いため、当然、脳に対する負荷は大きくなります。そこで脳疲労が溜まり始めると、脳が周辺注意力視野を狭めて視覚情報の量を意図的にコントロールし、減らそうとするホメオスタシスが働きます。 

 

目を閉じれば視覚情報はシャットアウトできますが、日常生活で目を閉じながら行動するのは危険を伴います。そこで、無意識のうちに周辺注意力視野を狭くして、流入する視覚情報の量を効率的に低減させて脳疲労を抑えようとするのです。