疲労研究の歴史

世界的にみて疲労の研究の歴史はまだ浅く、日本において国が研究をスタートさせたのは1990 年代です。1984 年にアメリカのネバダ州で「慢性疲労症候群」の患者が発見されたのを機に、日本では1991年、厚生省(現・厚生労働省)がこの病態の対策として研究班をスタートさせました。

 

 

1999 年に文部科学省の研究班があとを継ぐ形で、「疲労および疲労感の分子・神経メカニズムとその防御に関する研究班」を発足、2003 年には大阪市立大学と大阪市、医薬品と食品メーカー18 社、総合医科学研究所が産官学で連携し、「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」(以下、「抗疲労プロジェクト」と呼びます)を立ち上げるにいたりました。

 

 

日本は疲労大国であるがゆえに、その分野の研究はいまや世界でトップクラスの水準となっています。大阪市立大学大学院医学研究科は「国際疲労研究センター」「抗疲労食薬開発センター」「疲労クリニカルセンター」を設置して日本の疲労研究の代表的機関になりました。また、2005 年には日本疲労学会が設立されています。