現代栄養学における「六つの基礎食品」

さて現代栄養学では「六つの基礎食品」というものがあります。
 その第一群としては魚、肉、大豆製品が上げられ、主に良質蛋白質の供給源をこれに求めよとしています。
 次に第二群としては牛乳、乳製品、骨ごと食べられる魚を上げ、主にカルシウムの供給源としています。
 また第三群としては緑黄色野菜を上げ、主にカロチンの供給源。
 第四群としてはその他の野菜、果物を上げ、主としてビタミンCとミネラルの供給源。
 第五群として白米、白パン、麺類、薯類を上げ、主として糖質性エネルギーの供給源。
 第六群として油脂を上げ、主として脂肪性エネルギーの供給源として、以上をもって現代栄養学の「六大基礎食品」としています。
 
ところが六大基礎食品を食することと、長寿を維持し、元気で働くという現実は、必ずしもこうした六つの食品を食べる事と、全く一致しません。
 明治生まれの八十歳以上の老人達の多くは、その食事メニューの内容が、「朝ばく、昼ばく、おこじゅばく、夕めしゃ、おこじゅの残りばく」と言って、肉や牛乳、チーズなどの乳製品など殆ど食べた事のない時代を経験し、高齢者のメニューから窺えることは「少食」であり「粗食」であったということです。
 更に婦人に至っては、僅かこれだけのメニューで、よく野良仕事の重労働にも耐えたと言えます。
つづく