一人一人の体質に合ったダイエットの必要性

さまざまなダイエットの流行が生まれては消えていく。多くの自称“ 専門家” が自説にもとづくプログラムを紹介し、それらは常に、その前に流行ったダイエット法を否定し、この方法こそが正しいと提唱しているように見える。だが、マンガニエロはじめ、ターレイの多数のクライアントたちが知ったように、誰にとっても完璧な効果をあげる、唯一のダイエット法などというものはない。私たちの体は一人ひとり違い、それぞれの体について生理学的な検査とともに体系的な分析を行わなければ、その人にとってどんな方法がベストとなるのかを見つけ出すことはできない。「これはまったく新たな考え方を示すものだ」と、本誌米国版編集長のショーン・ペリンはいっている。「これまではその人の外面的な条件や目標、つまり筋肉をつけるのか、体脂肪を落とす、あるいは筋力を高めるのかといったことだけに焦点を当てていた。だが、これまでの指標とは違うところに注目し始めた結果、従来の方法に疑問を向けるようになったのだ」 マンガニエロの場合は、卵とホエイが彼にとっては味方ではなく、敵になることが判明した。どちらもスポーツ栄養学の世界では、体づくりやパフォーマンス向上に欠かせないと認識されているものだ。「食物アレルギーのテストは、自分の免疫システムが抗体をつくり出すたんぱく質源を突き止めるために有効だ」とターレイはいう。「抗体の生成レベルが高まると、問題につながる可能性がある。ほかの目的で使えるものを、抗体の生成に使ってしまうからだ」 ターレイが行う食物アレルギーのテストの多くは、血漿ではなく赤血球を調べる方法がとられている。