一人一人の体質に合わせた栄養摂取の新たなアプローチ

マッスル・アンド・フィットネス日本版より

 

 

 

遺伝的特質、ハードなトレーニング、適切な栄養摂取がスポーツパフォーマンスを高めるカギを握ることはよく知られている。だがそのうちの「適切なダイエット」について、栄養科学の最前線では新たな見解が示されている。これまで「正しいダイエット」とされてきた方法が、それほど簡単にそうだといえない可能性があるというのだ。 栄養学の最先端のエキスパートのなかには、トレーニングの成果をあげるための栄養摂取が、実は逆の結果を招いているケースがあると指摘する専門家がいる。体づくりの努力を台無しにしてしまうような方法を、そうとは知らずに正しい方法と思い込んで実践しているというのだ。 そうした指摘をするエキスパートの一人が、クリス・ターレイだ。ターレイは、栄養分析とその結果に応じた食事の宅配サービスを行う「Precision Food Works」を創設し、最高経営責任者を務めている。栄養科学の分野で28 年におよぶ経験を持ち、彼のクライアントのリストには多数のトップアスリートが名を連ねている。何人ものオリンピック金メダリスト、そしてメジャーリーグやNFL(米プロフットボール)最優秀選手賞の受賞者といったエリート選手たちだ。こうしたトップアスリートたちの活躍を支えてきた実績が、栄養摂取に関するターレイの考えを支えている。つまり、人間の体は一人ひとり違うので、それに応じた栄養摂取を行うことがパフォーマンス向上のカギになるという考えだ。「私たちがめざしているのは、医師が行

 

うような一般的なビタミンやミネラルを処方するといったことではない」とターレイは話す。「赤血球を検査し、その人の体に必要なあらゆる必須アミノ酸や必須脂肪酸、それらの派生物、腸内の微生物のアンバランス、食物アレルギー、毒性を持つ体内の重金属レベル、神経伝達物質のアンバランスといった点について調べるのだ」

 

 

 

つづく