最近になりアメリカでは、盛んに腸についての研究が行われ、色々と興味深い事実が解って来ています。
かなり以前よりアメリカでは、腸の事を「第2の脳」と呼び、頭蓋骨の中にある脳と区別したり関連づけたりする様になって来ています。
一般的には脳と腸は全く別物だと考えがちですが、そうではないのです。
腸にも「食欲」・「睡眠」・「安心感」を感じるセンサー(セロトニン受容体)や「幸福感」を感じるセンサー(ドーパミン受容体)があります。
また、麻薬のモルヒネ同様の働きをする、「エンケファリン」と云う物質も腸管壁にあります。
特に「食欲」・「睡眠」・「安心感」に関係するセロトニンセンサーは、腸に90~95%あり、脳には5~10%しかないのです。
これらの受容体が発する物質を、神経伝達物質と呼んでいます。
神経伝達物質は60種類以上ありますが、中でも「セロトニン」・「ドーパミン」「ノルアドレナリン」の3種類の伝達物質は、「食欲」・「睡眠」・「安心」や「喜び」・「幸福」・「ストレス対応」などの身体活動に重要な働きをしています。
いずれの神経伝達物質もタンパクに含まれる、「トリプトファン」および「フェニルアラニン」という「必須アミノ酸」を原料にして作られます。
頭蓋骨内の脳と腸の脳との連絡は、交感神経や迷走神経と呼ばれる消化器神経系によって緩く結びついています。