世界に展開するトレーニング施設、 EXOS の紹介記事 その2

 

 

EXOS ではプロアスリートのトレーニングは8段階の過程を経ます。「軟部組織のケア」(「ピラープレップ」といわれている)、「一般的なウォームアップ」(ダイナミックウォームアップを行う)、「プライオメトリクス」「各スポーツに特化した体力強化」「回旋パワーの強化」(メディシンボール・トレーニングを行う)、「筋力・パワー強化」(ウェイトトレーニング)、「エネルギーシステムの強化(コンディショニング)、「体の再生」といわれる8つの過程です。これに対して、一般のクライアントの場合は5つの過程を経ることになると、ニック・ウィンケルマン(EXOS ムーブメント&エデュケーション・ディレクター)は説明しています。「ピラープレップ」「ムーブメントプレップ」「回旋パワーの強化」「筋力・パワー強化」「体の再生」の5つです。

 

 

つまり、アスリートに行う3つの段階(動作スキルの強化、スポーツに特化した体力強化、エネルギーシステムの強化)が省かれるわけです。この3つは競技に直結した能力を鍛えるもので、一般のクライアントには必ずしも大きなメリットにはならないからです。しかし、健康的な動作パターンの習得・強化は大きなメリットになります。「ジムに通う動機は体脂肪を落としたいとか、引き締まって筋肉のついた体をつくりたい、もっと健康になりたいといったことだろう。これらはすべて、価値ある立派な理由だ。しかし、一般のクライアントのトレーニングで私たちが特に留意していることが、単に体や動きを鍛えるだけでなく、健康に対する意義という観点から、運動の価値を理解してもらうことだ」とウィンケルマンは話しています。

 

 

パフォーマンスの向上というのは、たとえばベンチプレスでいえば、数kg 重いウェイトを上げられるようになるということで、誰にとってもわかりやすいことです。しかし、パフォーマンス向上のためのトレーニングと栄養摂取の意義を、たとえば金融アナリストを職業とする人に理解してもらうのは、アスリートの場合ほど簡単ではありません。そこでトトロは、飛行機でアメリカを横断するビジネスマンと、ラインバッカーを対比させて次のように説明しています:「フットボールの試合が終わる頃には、選手は脱水状態になって電解質のバランスが崩れ、関節の痛みにも襲われる。もし夜の試合であれば、興奮状態がおさまらず、安眠できないかもしれない。

 

同じように、飛行機でアメリカを横断するビジネスマンは気圧調整が行われている機内に長時間座り、脱水の問題にも見舞われる。重要な電解質が失われ、関節が痛み、時差を超えるために体内時計にも問題が起こるかもしれない。 両者は問題を招く理由は異なるが、結果として起こる弊害は同じなのだ。そしてアスリートもビジネスマンも、現場でのパフォーマンスがキャリアを左右するという点も同じだ」