老化物質 AGE と病気の関係

糖尿病、糖尿病合併症

 

 

 

AGE は糖尿病の研究のなかから発見されました。糖尿病や糖尿病合併症もまさにAGE の強い影響を受けて進行します。

 

 『「糖化」を防げば、あなたは一生老化しない』〈久保 明/永岡書店〉では、これらの病気とAGEの関わりについて次のように説明しています:

 


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 糖化が進み、体内にAGE がたまってくれば、より糖尿病になりやすくなります。また、すでに糖尿病を患っている人は、その症状がより悪化しやすくなります。 糖化と糖尿病は、切っても切り離せない関係にある問題なのです。そもそも、糖化とは、血液中にブドウ糖があふれた状況下で起こること。糖尿病予備群の人や糖尿病患者の人は、本来すみやかに血糖を下げるはずのインスリンの働きが通常よりも落ちていますから、食後に高血糖状態になりやすく、その分AGE ができやすくなってしまうわけです。糖尿病が怖いのは、初期のうちはほとんど自覚症状がない点です。インスリンの効きが悪くなってきたことに気がつかず、高血糖状態下に置かれることが多くなり、知らず知らずのうちにAGE をどっさりため込んでしまうケースは少なくありません。

 

(中略)

 

 糖化の怖さを本当に真剣に考えなければならないのは、「すでに糖尿病になってしまった人」 でしょう。

 

「糖尿病合併症」という言葉をご存じの人も多いはず。糖化が進むと、AGE がいっそう悪さを働くようになって、この合併症が一気に加速してしまうのです。 糖尿病合併症は、AGE によって全身の毛細血管が障害されることが大きな原因となります。

 

 なかでも「3 大合併症」と呼ばれるのは、「腎臓」と 「目」と「神経」。そのうちの腎臓の場合は、ろ過膜の毛細血管がAGEによって障害されることにより、ろ過機能が低下し、「糖尿病性腎症」が起こります。症状が進んで腎機能が大きく低下すれば、人工透析を受けざるを得なくなったり、腎不全を起こしたりする場合もあります。

 

 目の合併症は「糖尿病網膜症」です。網膜の裏側に張り巡らされた毛細血管がAGE によってもろくなり、出血が起こると失明することもあります。

 

 このように、糖尿病合併症が起こると、人間の基本的機能がじわじわと蝕まれていくことになります。」

 

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